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化学物質過敏症対策


シックハウスと言う言葉を聴いたことはありますか?
落ち着いたシックな家と言う意味ではありません。病気のシックです。「病気を起す家」と言う意味です。何千万円というローンを組んで、家族で喜び勇んで入居したら、家族が体調を崩し、精神まで狂わされ、イライラ、トゲトゲの家庭になってしまったと言う悲劇です。原因は壁材、床材、天井材で使われる建材が原因です。建築の坪単価を安くするためには安い材料を使わないと成り立ちません。建築会社は少しでも沢山売りたい、そのためには少しでも安く売らなくては競争に勝てないと考えます。無垢の材木を使っていては、とても競争には勝てないのです。

ある時、木を削って出た山のような切り屑を利用できないかと考えた人がいました。ハンバーグのように細かい肉を小麦粉で固めればいいと思いつきました。肉屋さんは最初はステーキ用に高く売り、色が悪くなると、細切れにして少し安く売り、最後はひき肉にして安く売るそうです。この材木屋さんは固める小麦粉の代わりに接着剤を使いました。そうしてできたのがパーチクルボードです。パーチクルとは細かいものという意味です。細かい木屑でできたボード、板と言うことです。この板は安く大量生産に向きました。工場でどんどんできました。集成剤も同じ考え方です。今や家具も建材も無垢の木材を使うと言うのはとても贅沢なこととなってしまいました。多用された接着剤の中のホルマリンから出るホルムアルデヒドの揮発ガスが室内に広がりました。ホルムアルデヒドは有害です。国の決めた室内空気濃度指針値0.08ppmをはるかに越えて室内に充満すれば、おかしくならない方が、おかしいということになってしまいます。

2003年「環境白書」の文章です。

今日、推計で5万種以上の化学物質が流通し、また、わが国において工業用途として届けられるものだけでも毎年300物質程度の新たな化学物質が市場に投入されています。化学物質の開発・普及は20世紀に入って急速に進んだものであることから、人類や生態系にとって、それらの化学物質に長期間暴露されると言う状況は、初めて生じているものです。


「化学物質過敏症」という先進国に特有な現代病が広がっています。日本に既に90万人くらいの人が発症しているそうです。90万人と言うとそれほど多くないと感じますが、例えば日本人の苗字で「中村」と言う姓の人が大体90万人と言われています。そうしてみると結構多いのではないでしょうか。少なくても3,4人は知人にいるものです。

化学物質過敏症の人たちは、重症となると、日常の生活は出来なくなります。何しろ周囲の人の付けている化粧品や整髪料の臭い、タバコ、自動車の車内の臭い、新聞や雑誌のインクの臭い、スーパーマーケットの店内の雑多な臭いなど、ありとあらゆる臭いに体が反応してしまいます。頭痛、眼が痛い、心臓がどきどきする、顔がほてる、関節が痛いなどなど不快な症状になります。仕方なく地方の山間部の空気のきれいなところに転地療養することになります。どうして化学物質に過敏な身体になってしまうのか。もちろん個人差、遺伝子の違いはありますが、日常生活していて、食べるものから、着るものから、事務所や自宅の建物から化学物質はからだに自然に取り込まれてゆきます。コップに入った水を想像してください。少しずつ歳を重ねるうちに、水面(化学物質)は嵩を増して行き、とうとう満杯になります。表面張力で水は膨らんでいます。そこにあとわずか一滴加わった瞬間、コップの外に流れ出します。これが発症です。それからと言うものわずかな化学物質に触れるたびに発症してゆきます。
眼に見えない相手との戦いですから、恐怖感が強くなり、なんでもないものでも反応するようになります。梅干を想像しただけで唾液が出るように、イメージが先行して行きます。

病院でこの体の変調を調べると一般的な病名に当てはまりません。臓器的にはどこも悪くなく、強いて言えば更年期障害か不定愁訴だと診断されてしまいます。保険の適用も受けられず高額な医療費を自費で負担することになります。とんでもない化学物質検知器が身体に備わってしまったということです。その検知精度はとてつもなく高く、10億分の一の濃度と言われています。ナノという単位の世界です。小学校のプールは縦25m、横13m、深さ1mです。325立方メートルの水が入っています。そこに小匙一杯5ccの化学薬品を落として良く混ぜます。1.6ppb(パーツ・パー・ビリオン)の濃度です。その水を化学物質過敏症の人は感じてしまうのです。

神経は血管のようにひとつながりのチューブのようにはなっていません。神経は色んな条件の変化に応じなければならないので途中途中に関所があって問題が先に行かないように作られています。その関所を神経節と呼びます。「腕を伸ばせ」と言う指令が脳から伝えられると片方の節からアセチルコリンという神経伝達物質が出てもう一方の節にある受容体に取り込まれます。腕の筋肉が刺激を受けてグーと腕が伸びるのです。用事が終わったアセチルコリンは元に戻ろうとしますが、そこに化学物質があると戻れなくなります。もう指令を出してはいないのに「腕を伸ばせ、伸ばせ」と筋肉を刺激するのでその誤動作を止める作用とぶつかり、腕に違和感として感じてしまいます。痛みになることもあります。このように人の体の中では、極く微量な化学物質によって心身ともに影響を受けているのです。

化学物質過敏症の原因は59%がシックハウス、21%が農薬、殺虫剤、8%が有機溶剤その他が12%という数字を北里研究所病院臨床環境医学センターの坂部貢先生が発表しています。男女の比率では、圧倒的に多いのは女性です。80%以上中高年女性と言われています。新築住宅に住み始めて一番長く家の中にいるのは主婦と言うことになります。男性で発症するのは職業的に化学薬剤に接する機会が多い人のようです。女性がどうしてこれほど多く発症するのか考えてみると、やはり女性の体質が考えられます。現代のように食べるものが豊富でダイエットしなくては、と言う贅沢な悩みを持つような時代は歴史的には大変珍しいことです。何万年単位で見ると、量的にも栄養的にも貧弱な食べ物に耐えてきて、遺伝子に刻み込まれて来ました。食べるものがない中、女性は出産と言う体力的にきつい仕事をこなしてゆかなければなりませんでした。栄養分を脂肪として蓄える体質になってゆきました。わずかな栄養分を吸収し易い体質になってゆきました。この二つの体質はそのまま化学物質に対しても発揮されてしまいました。化学物質を吸収し、脂肪質に蓄えてしまったのです。多くの化学物質は脂肪質に良く融けるのです。この意味から、特に女性には、化学物質が身体に取り込まれることがないように注意することをお薦めします。加工食品、化学合成の繊維製品、シャンプーにリンス、ヘアーダイ、ドライクリーニング、芳香剤、殺虫剤などに気を付けて、できるだけ安全な天然材料のものを選ぶようにされるのが良いと思います。

NOCホームページより
日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮崎 道男


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